TWILIGHT SLIDER
医師に産むことを告げた時の真っ直ぐな目が華を見つめている。

そんな夕夜の目に飲み込まれそうになりながら、華は彼を見つめ返した。

「八神さんの子供でも、俺は華と一緒にその子を育てたいんだ。

その子の父親が俺じゃなくても、俺はその子を育てたい」

そこまで言うと、夕夜は華を抱きしめた。

「守りたいんだよ、一緒に生きて行きたいんだよ」

そう言った夕夜に、華は彼の背中に両手を回した。

「俺は、華とその子と3人で生きて行きたい」

「――夕夜…」

「華が反対してもいいから、俺はその子を育てたい。

華と一緒に3人で未来を歩いて行きたい」

「――夕夜…」

華の目から、ボロボロと涙がこぼれ落ちた。

「私も一緒に生きて行きたい…。

夕夜とこの子と一緒に、歩いて行きたい…」

涙のせいで思うように声が出ないが、それでも華は懸命に自分の意思を伝えた。
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