TWILIGHT SLIDER
「――華…」

夕夜の指が頬を流れる涙を優しくぬぐった。

「結婚しよう」

その言葉に、華の目からさらに涙がこぼれ落ちた。

「一緒に生きよう」

夕夜の言葉に、華は泣きながら首を縦に振ってうなずいた。


「本当に、八神さんの子なのか?」

亮一の問いに、夕夜は首を縦に振ってうなずいた。

「華とは1度も性行為をやったことがないんだ。

だから、華のお腹の中にいる子は八神さんの子だって確信したんだ」

夕夜の答えに、亮一はふうっと息を吐いた。

「けど、お前もよく決意したな」

呟くように言った亮一の言葉に、夕夜は首を傾げた。

「自分が父親じゃないのに、よく育てようと思ったな」

夕夜は笑うと、
「俺は、ただその子と一緒に生きたかっただけ。

華と一緒にその子を育てたかっただけ。

それに…」

「それに?」

亮一は聞き返した。
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