TWILIGHT SLIDER
「守るものが増えて、すごく嬉しいんだ」

そう言った夕夜の顔は、まさに父親の顔だった。

そんな夕夜に亮一は、
「そっか」
と、返事をした。

「結婚式はいつするの?」

「11月の最初」

「11月って、急だな」

亮一は困ったように、けど嬉しそうに笑いながら言った。

「早い方がいいと思ってさ」

亮一につられるように、夕夜も笑った。

「それで、子育てはどうするつもりなの?

大学に通いながら育てるなんてできないだろ?」

そう聞いた亮一に、
「年が明けたら休学届を出すって、華が言ってた。

それから1年間、子育てに励むそうだよ」

夕夜は答えた。

「1年って、俺たちも卒業だよな?」

指を折って数えながら亮一が言った。

「一応、就職先は決まってるんだっけ?」

亮一は聞いた。
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