TWILIGHT SLIDER
「――桜木先輩も、桜が好きですか?」

言葉を選ぶように華が聞いて、目をそらすようにうつむいた。

ドキン…と、夕夜の心臓が優しく鳴った。

やっぱり、自分は華に恋をしてる。

思いを断ち切ることは、やっぱりできない。

つきあっている彼氏がいるとわかっていても、この思いを断ち切ることはできない。

「――好きだよ…」

そう言った夕夜に、華は驚いたと言うように顔をあげた。

「俺も、桜が好きだよ」

夕夜は微笑んで、華に言った。

綾乃に見せるような作った笑顔じゃなくて、自分の気持ちのままの笑顔で微笑んだ。

「――よかった…」

桜の花のような優しい笑顔で、華が微笑んだ。
< 25 / 202 >

この作品をシェア

pagetop