TWILIGHT SLIDER
言葉が続かなかった。

「三宅の時は俺に相談しなかったじゃん」

亮一が言った。

彼の言う通り、綾乃の時は特に誰も相談することもなく、自分から彼女に告白して交際を始めた。

「――大村ちゃんが好きなの?」

亮一にそう言われて、夕夜の躰がビクッと震えた。

「…違うに決まってるだろ」

そう答えた夕夜に亮一は目を伏せると、
「隠す必要なんてないんじゃない?」
と、言った。

「いずれ、わかることになるかも知れないんだし」

続けて言った亮一に、
「…そうだよ」

震える声で、夕夜は言った。

「俺は、大村さんが好きだよ」

夕夜の答えに、亮一は伏せていた目をあげた。

「リョウの言う通りだ」

そこまで言って、夕夜はうつむいた。
< 33 / 202 >

この作品をシェア

pagetop