TWILIGHT SLIDER
「急に見知らぬヤツから電話がかかってきたからビックリしたよ」

その人物は、綾乃の前の椅子に腰を下ろした。

「こんなこともあろうかと思って、夕夜の携帯電話を見て、あなたの電話番号を登録したの」

そう言った綾乃に、その人物――亮一は大げさにため息をついた。

「それで、俺を呼び出して何の用なの?」

亮一が聞いた。

「――夕夜について聞きたいことがあるの」

そう言った綾乃に亮一は眉をひそめた。

「ユウがどうした?」

「なんて言うか、ぼんやりすることが多くなって」

「ああ、ユウのぼんやりは毎度のことだから」

「そうじゃなくて、何か他のことを考えてるみたいなの」

「ふーん、そう」

「何か夕夜から聞いてない?」

「別に、って言うかさ」

亮一はそう言うと、ため息をついた。

「こんなところを夕夜に見られたらどうするの?」
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