TWILIGHT SLIDER
「話したくないんだろう?」

その瞬間、華の目から涙がこぼれ落ちた。

「お…大村さん、大丈夫!?」

突然泣き出した華に駆け寄った夕夜に、
「――ごめんなさい…」

泣きながら、華が謝った。

「――私のせいで…ッ」

「それよりも早く手当てをしよう、傷が残っちゃうよ」

夕夜は急いでテレビのうえの救急箱を手に取ると、華の隣に座った。

救急箱を開けて傷の手当てをしようとしたら、
「――私…」

震えながら、泣きながら、小さな声で華が言った。

「――終わりにしたい…」

「えっ…?」

そう言った華に、夕夜は耳を疑った。

痛いくらいの沈黙が2人の間を包み込んだ。

唯一の音と言えば、華のすすり泣く声だけだった。
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