TWILIGHT SLIDER
母親にも言わなかった。

言ってしまったら、母親に迷惑がかかる。

自分の娘がいじめを受けていることを知ったら、母親は悲しむからだ。

とにかく、自分がしっかりしていなければならない。

この行為にも終わる日がくるかも知れないと、華は心の中でそう願っていた。

そのうち犯人もこの行為に飽きる時がくるかも知れないと、華は何度も思っていた。

しかし、その行為は終わりを見せなかった。

華が帰りの準備をしていたある日のことだった

「ねえ、大村さん」

華の目の前にいたのは、5人グループの同級生の女の子だった。

そのリーダー格の女の子が、口を開いた。

「ちょっときてくれる?」

連行されるように呼び出されて、向かったところは女子トイレだった。
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