TWILIGHT SLIDER
トイレに入ったとたんに、いきなり髪をつかまれた。

「――ッ…!?」

あまりの痛さに、華は顔をゆがめた。

たたきつけられるようにトイレの床に落とされた瞬間、
「――痛ッ…」

バシャッ!

冷たい水が顔にかかった。

「大村さんってさー、生意気なんだよねー」

その声に顔をあげると、リーダー格の女の子が華を見下ろしていた。

彼女の取り巻きの1人がバケツを持ってクスクスと笑っている。

他の3人も同じように、びしょ濡れになっている華を見下ろして笑っていた。

「ちょっと勉強できるうえにかわいいからって、いい気になり過ぎなんですけどー」

「すっごい腹立つよねー」

華は震える躰を隠しながら、5人を見ていた。

躰が震えているのは、水をかぶったからだと言う訳じゃないかも知れない。
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