TWILIGHT SLIDER
「――私は、誰ともつきあいたくないの…。

誰とも関わりあいたくないの」

そう言った華に対して、斎藤は黙っていた。

「だから、ごめんなさい」

いつものように頭を下げて断って、その場から立ち去ろうとした時だった。

「――なっ、何…!?」

後ろから誰かに抱きつかれた。

「よし、運べ!」

驚いている華に、斎藤はニヤリと笑って誰かに指示を出した。

そのまま誰かに担がれて到着したところは、誰もいない広場だった。

地面に寝かされた華のうえに斎藤が馬乗りになった。

「イヤ、離して!」

華は身をよじって抵抗するが、
「おい、足を押さえろ!」

「へい」

足を押さえ込まれてしまった。

「お願い、離して!」

「抵抗するな!」

その瞬間、頬に衝撃が走った。
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