TWILIGHT SLIDER
「――名前、聞いてもいいですか?」

そう言った瞬間、華は後悔した。

(私は、一体は何を聞いているの…?)

思わずうつむいた時、
「八神」

声が聞こえて、華はうつむいていた顔をあげた。

男――八神が微笑んでいた。

「僕は八神隆一、君は?」

そう聞いてきた八神に、
「大村華です」

華は自分の名前を言った。

「華ちゃんか…。

いい名前だね、覚えておくよ」

八神がニッと白い歯を見せて笑った。

「じゃ、またね」

「おやすみなさい」

華は頭を下げると、家の中に入った。

ドアを閉めると、ふうっと息を吐いた。

胸がドキドキしていた。

この気持ちは何なのだろうか?

初めての気持ちに戸惑いながらも、華は嬉しさを感じていた。
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