TWILIGHT SLIDER
それは、始業式を終えた夜のことだった。

「華は何組になったの?」

コロッケをつまみながら、八神が聞いてきたので、
「7組、去年と一緒だよ」

華は答えた。

「へえ、そうか」

八神が首を縦に振ってうなずきながら、ご飯を頬張った。

「担任の先生も一緒でね、去年と同じ川田先生って言う男の先生なの」

そう言った華に、八神の箸の動きが止まった。

「隆一?」

そんな八神の様子に、華は彼の顔を覗き込んだ。

「それ、本当か?」

今まで聞いたことのないような低い声で、八神が言った。

「本当だけど、どうしたの?

隆一、具合悪いの?」

乾いた音と同時に、頬に衝撃が走った。

自分の身に一体何が起こったのか、華はよくわからなかった。
< 83 / 202 >

この作品をシェア

pagetop