TWILIGHT SLIDER
沈黙が2人の間を包み込んだ。

先にその沈黙を破ったのは、八神の方からだった。

「――ごめん…」

小さな声で、八神が謝った。

八神は華の頬に手を伸ばすと、
「痛かっただろ?」

悲しそうに、八神は自分を見つめてきた。

「――私も、ごめんなさい…」

華は謝った。

どうしてなのかはよくわからないけど、自分も謝らないといけないと思った。

その瞬間、幸せが崩壊した。


その翌日から、八神は華に学校であった出来事を話すように言った。

よほど、自分のことが心配なのだろう。

また斎藤みたいな男に何かされていないかとか同級生にいじめられていないかとかを、彼は心配しているのだろう。

例え何もなくても、華は必ず八神に学校での出来事を話した。

八神は相づちを打ちながら笑って話を聞いてくれた。
< 84 / 202 >

この作品をシェア

pagetop