TWILIGHT SLIDER
「それでね、相沢くんの早弁がバレちゃってね」

いつものように学校の出来事を話している華を、
「――華」

八神は話を止めてきた。

「相沢って、誰だ?」

低い声で八神が聞いてきたので、華は笑顔で話を続けた。

「クラスメイトの男の子なの。

背が高くて頭がいいんだけど…」

その瞬間、華の後頭部に衝撃が走った。

「――隆一…?」

目の前には、鬼のような顔をした八神がいた。

強い力でフローリングに押し倒されたのだと、華は思った。

「――何もないんだろうな…?」

先ほどと同じ低い声のままで、八神が聞いてきた。

「――何にもないよ…」

いつもと違う様子の八神に戸惑いを感じながら、華は答えた。

「ウソをつくな!」

八神が声を荒げて怒鳴った。
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