TWILIGHT SLIDER
翌日。

「じゃ、行ってくる」

玄関まで見送りにきた華に、夕夜は言った。

「行ってらっしゃい」

華がニコッと笑って、夕夜に手を振った。

一晩経つと、傷だらけの顔も少し落ちついてきた。

「リョウにはしばらく休むことを伝えておくよ。

その顔じゃ、さすがに行けないだろ?」

そう言った夕夜に、
「はい、わかりました」

華は首を縦に振ってうなずいた。

「何時間でもここにいていいからね。

じゃ、行ってくる」

「行ってらっしゃい」

華に見送られ、夕夜は家を出た。


夕夜は大学に到着すると、天文学サークルの教室に入った。

「おはよう」

「ああ、おはよう」

課題をやっていた亮一は顔をあげると、
「何だ、ユウか。

珍しいな、朝早くから」

夕夜は亮一の向かい側の椅子に腰を下ろした。
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