TWILIGHT SLIDER
「大村さん、しっかりするんだ!」

「華にさわるな!」

怒鳴り声と共に、頬に衝撃が走った。

夕夜はフローリングにたたきつけられた。

口の中に、鉄の味がする。

殴られた拍子に唇が切れたらしい。

鬼のような形相をした八神が、華にこぶしを振りあげようとした。

「やめろ!」

夕夜は起きあがると、華と八神の間に割って入った。

また頬に衝撃が走って、夕夜はフローリングにたたきつけられた。

「先輩!」

華の叫び声が聞こえた。

「――だ、大丈夫だ…」

夕夜が返事をしたのと同時に、八神が倒れた椅子を持ちあげた。

それを華に向かって振りあげようとする。

「危ない!」

夕夜は叫んで飛び出した。
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