フリ-ジングの鐘の音
『…どこを見ても
優しいおじいさんに、おばあさんなのに…お兄さんお姉さんって言ってあげれば良かったのかな…』
気を取り直し、周りを見渡した。
丁度どこかの帰りか
目の前を通り過ぎ、
母親の姿が見えた
『あの人なら知ってるかも…』
フリ-ジングは、母親と子供の方に向かい、後を追うように走って近寄った。
「あの〜ちょっと聞きたい事があるの!」
長くて茶色い髪の、白いエプロン姿の子連れの母親が振り返る。
子供は、母親の手を握りながらこっちを見ている。
「何か?」
フリ-ジングが、子連れの母親に訪ねた。
「この辺りに、ノビンドって人は…うっ…」
言いかけようとした瞬間
後ろの方を誰かに、
引っ張られたかのように掴まれた。
「おいっお前か、かぎ回っているって!」
よく見るとそこには、
ノビンドおじさんの、
隣に住んでいるって有名なパスカルがいた。
18才くらいのお兄さん、
勉学に飽き
自由に暮らして親を、困らせていると言う、
噂を何回か聞いた事も
しかし、時には、助けてくれる優しい面も持っていた。
「くっ苦しい…!パスカル!」
パスカルは、ぐぃぐぃと
首の辺りの服を引っ張る
子連れの母親はその様子を見てそのまま、歩き出して行ってしまった。
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