ﾌﾘ-ｼﾞﾝｸﾞの鐘の音

｢無駄だよっ､そのドアは開かない｣
ﾌﾘ-ｼﾞﾝｸﾞは後ろからの声に気づき､振り返るとそこには､見たことも無い少年が立っていた｡

ﾌﾘ-ｼﾞﾝｸﾞより少し背はあったのか､少し見上げている｡
｢…開かないってどう言う事?｣
ﾌﾘ-ｼﾞﾝｸﾞの問いが聞こえているはずなのに､無言のまま近寄って来た｡
扉の前に着くと､手には鍵を持っていた｡
｢鍵が無くても､開くドアがあるとしたら?君はどう思う?｣
少年はﾌﾘ-ｼﾞﾝｸﾞの問いかけから少し時間を置き､問いかけてきた｡

問いの答えに時間を置く事に意味でもあるかのように｡
ﾌﾘ-ｼﾞﾝｸﾞは､少年の方に目をやる､少年の持っている鍵を見直してみる｡
｢鍵が無くてもって､鍵ならあなたの手にあるじゃない!｣
少年は鍵をドアノブの鍵穴に差し込みこう言った｡