フリ-ジングの鐘の音
少年との約束
「君って案外恐がりなんだな…」
フリ-ジングの恐ろしい姿をどこからか、見ていたかのように、
上の方から、聞き覚えのある声が聞こえて来た。

そう、さっき居たあの少年の姿が。
「見えない姿が見えるのは平気でも、怖い事でもあるんだな…」フリ-ジングは、少年の姿を確認すると、少年の居る方へと近づいて行った。
「さっきっから、何を言っているの?見えない姿とか、鍵が見えるとか」

フリ-ジングは、少年に不満な気持ちをぶつけてみた。

「何をって、君には見えるんだろ?この鍵も、ここに隠れている姿も…君の後ろにいかにも、頼みたそうにしている奴の姿も」

フリ-ジングは、少年が指さす方向を見てみる。
「…」
しかし、そこには何も見えなかった。
「…君になら見えると思ったけど…見えないんだな…だったらこの鍵の…」

そう言うと、手に持っていた鍵を、上の方にかざし始めた。
曇って居た雲の隙間から、いきなり光が現れ、瞬く間に、鍵の方へと光が集まって来た。
虹色に包まれた鍵に変わり、
フリ-ジングの方にその光が、
身体にぶつかって来たかと思った瞬間
身体が熱くなって来た。
すると、さっき少年が指を指していた方に、羽の生えた不思議な生き物がこっちの方を見ていた。
「…何これ?」
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