フリ-ジングの鐘の音
フリ-ジングは、少年の方を見てみる。
少年は、降り続ける雨を見て、
フリ-ジングに、妖精が伝えたかった事を代弁するかのように伝えて来た。

「君が壷を割った事で、そこに封印されていた、力が飛び出して
力を失ったこの村が、歪んだ世界になってしまったみたいなんだ、この村の人達は、やる気を失って、自由を求めて出て行った
まじめに生きてきた力が、一気に逆の力が働いて、今の状態になったみたいだな…。」
フリ-ジングは、前に割ってしまった壷が頭の中をよぎった
妖精は、フリ-ジングにまた小さな声で話しかけて来た。
「あなたが…私に力を貸して欲しいの…私の力だけではこの村は助けてあげられない…だから…」
フリ-ジングは、自分が壷を割ったせいで村の人達を追い出してしまった事に、気持ちが押し潰されそうになった
あれほど、近づいてはいけないと、母親から伝えられていた事を守らなかった事にも、
後悔する事をこうして、知る事になった。
余りにも大きすぎる後悔に、フリ-ジングは、涙が溢れて悲しくなってその場に、座り込んだ。
目が赤く張りあがり、
動けなくなってしまうくらいに震えが襲って来た。
優しい村の、働く事で精一杯の人達が一気にこの村から出ていった事、とても一人で抱え込むには辛くて、フリ-ジングは、心が張り裂けそうになって行くばかりだった。
< 25 / 50 >

この作品をシェア

pagetop