フリ-ジングの鐘の音
少年の目にフリ-ジングが、苦しむ姿が映り、
何かを考えるかのように、
うつむいている。
雨の音と、激しい雷の音、フリ-ジングの耳にその音は
聞こえていないようだ。
恐怖を通り越してしまっているかのように。

少年は、フリ-ジングの方に近寄り、
首にかけていた、天使の輪のような物を、首から外し
手の上にに乗せ、
フリ-ジングに差し出した。
「これがあれば、そこに居る妖精に力を与える事が出来るはず、
そこらじゅうに、こう言う力を持つ物が散らばっているはずだから、他にも多くの妖精の力を借りる事で、もしかしたら
この村を救えるかもしれない
でも、妖精を仲間にしないといけないにしても、今の君の力ではきっと無理だ」
少年は、フリ-ジングにそう言うと
手に持っていた、天使の輪を妖精に向けた。
すると、小さくて細かい粒の光が、妖精の身体を包み始める。
しかし…包み始めた光が一瞬にして、天使の輪の形に戻り
下に落ちてしまった。
少年は、天使の輪を広い、フリ-ジングに差し出す。
「君の力で出来るかわからないけど、やってみなよ…俺には無理みたいだから」
フリ-ジングは、少年から天使の輪を受け取る…すると、天使の輪から、二本の羽がうっすらと浮かびあがった瞬間、妖精の方へと、一瞬にして入り込むのが見えた。
ぼやけていた妖精の姿が一瞬にしてはっきり見えるようになった。
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