フリ-ジングの鐘の音
「くぅ…」
元気を失い、眠気が襲っているようだ。
妖精が、暗緑色の周りを、クルクル回っている。
外からは、日が昇り始めているのか、温かい日差しが
射していた。

妖精は、犬に寄り添いながら
クルクル回って、様子を見る。
一向に、犬のような暗緑色は
動こうとしなかった。

“ギィ-バタン、ダッダッダッ”
扉が開いたような音がしたと思ったら、閉まる音と下から階段を駆け上って来る、音も同時に聞こえてきた。
“ポタン”
妖精の羽に、冷たい物がかかった。
一瞬ふらっと妖精はなり、犬の上に着地した。
「あっごめんね…妖精さんは水に弱かったねっ」
犬は、目の前に出された、器を見ている。
「さっき、牛さんがいて、少しだけわけて貰ったの…この村には動物さんが残っているだけなのね…」

犬のような、暗緑色に覆われた
不思議な生き物は、器の匂いをかぎながら、ゆっくり
舌をつけ飲み始めた。
「どお?美味しいかしら?」
暗緑色の犬みたいのが全てを飲み干すと、少しずつ、地面から立ち上がった。
「君は悪い人じゃ無さそうだな」犬がいきなり喋りかけて来た事にびっくりした。
フリ-ジングは、犬の方に近づく。

「言葉喋れるの?」

「喋って悪いか?そんな事より
お前が俺を呼んだんだろ?の少年はいいのか?」

犬がフリ-ジングの方に、返事をして来た。
「あっ」
フリ-ジングは、少年の事をすっかり忘れていた。
慌てて、階段を降り、外へと飛び出して行った。
暗緑色の犬は、妖精を見ている。あいつでいいのか?
妖精は、暗緑色の背中に乗ると。「何も言わなくてもいいの、早くフリ-ジングを追いかけて」
妖精は暗緑色の犬に命令をした。どうやら妖精の乗り物らしい
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