フリ-ジングの鐘の音
少年は振り返り…フリ-ジングの方を見ていた。
「しょうがねぇなぁ〜ほらっ乗れよ…今度は俺がお前を…」
…フリ-ジングは、川の流れている方をじっと見つめて
話が耳に届いていなかった。

暗い夜道を明るく照らし、
光がふわふわ浮いていた。

何かが、
フリ-ジングの方へと近づいて
横の辺りに止まり…
「そりゃ〜蛍じゃな…」
低い声で、聞いた事の無い声に
ちょっとびっくりした。
「…だっだれ?」
目を丸くしながら、蛍に照らされる不思議な…
「あれ?今…」
フリ-ジングは声の聞こえた方を見てみたが…そこに姿は無かった
「おかしいなぁ…ねぇ!ねぇってばぁ〜」
少年がかすかな暗闇の中から
こっちを振り返って見ている。
「さっき誰かここに居なかった?今…声がしたの!」
少年は、暗闇で首を振ったような気がした。
「?…」
少年の方に近づいて、何かを怒っているような気が
顔の表情から伺えた。
フリ-ジングの腕をグイっと掴み
何も言わずに、引っ張られている。
「あっ…ちょっと…何っ!?」

足が思いっきり速度をあげて
少年の行く方へと
どんどん連れて行かれて行った…しばらくすると、一軒の小屋が見えてきた。
少年は、小屋の周りを調べ
中に誰かいないか問いかけている。
「誰か居ませんか?誰か?」
“ゴンゴン”
ドアの戸を叩いてみても、返事は無かった。
少年はドアが開いたので
中を覗き込んでみた。
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