フリ-ジングの鐘の音
闇の中から聞こえる、悲しみの声の少女は、どうやら迷いに入っているようだ。
この闇は、少女の悲しみが作り出した、幻の世界だとわかった。
これは、もしかしたら
自分にもこれから、経験する事かもしれないと
直感した気がした。
人は一人だから、同じ人は誰一人いない、似た人は居ても
誰もその人になれない。
「泣かない、たとえわかって貰えなくても、伝えないとそのツライ気持ちも、伝えたの?その気持ち」

フリ-ジングは闇の中に問いかけた。
しかし闇の中からの声は、途切れてしまった…光も何も無い空間、物音一つ無い暗い静かな空間。

きっとお腹の中もこんな風に暗い場所だったんだと
考えた。
見渡しても、闇でしか無く、
光も無い。
時が動いているのかさえわからなかった。
フリ-ジングは、闇の中に声をかけた、脳裏によぎった
「少年君?、妖精さん誰か
いないの?答えて…」
するとまた奥から声が聞こえて来た。

「闇は安らぎ、暗い世界にいたらあなたは安らぎに満ちてくる
つらい気持ち、人の嫌がらせを受けること無く、関わると
涙を流す、人と人とを比べ
気に入らないと集団虐め、
協力しては、一人にぶつかる」

フリ-ジングには、人が悲しみを
抱えながら生きている事に
ものすごく気持ちが伝わって来た。
仲間を使い一人ではやって来ないことも…。
「悲しみやつらい気持ち
わかってあげられるのは
少しかもしれないけど、闇だけでは何も変わらない、勇気を出して、変えていこう!逃げてばかりでは、悲しみしか生まれない」
そう言うと、
目の前に力を失ったような
自然が広がっていた。
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