フリ-ジングの鐘の音
フリ-ジングが諦めて、家の方に
歩き出す。
“バタン!”
フリ-ジングは、暗闇の中に
人影の気配があるのを感じ、
鐘がある方を振り返る、
そこには、人影は無く、
誰もいなかった。
しかしよく見てみると、
あの閉ざされていた
ドアが、開いていた。
あの頑丈に、閉ざされていた
ドアが、開いているなんて。
周りに人がいる気配が無い事に気付き、
急ぎ足で、鐘のある場所に駆け寄った。
中を覗いて見ると、
ぐるぐると、鐘に続く階段が伸びていた。
真っ暗な中に、天井から
差し出す、月明かりが
階段を照らしていた。
壁は、使われていないにも関わらず、凄く綺麗。
見渡す限り、ぎっしり本棚が中に納められている。
階段をトコトコ、と登り
途中、また本棚のある場所にたどり着く、
頭のてっぺん辺りに目をやるとあんなに遠くから見えた鐘よりも、さらに大きな鐘がそこにあった。

本棚のある場所に、
月がまるで移動しているかのように、光りが、どんどん眩しくなっていく。
「箱もいっぱい…何が入っているんだろう…
こんなに沢山」
床をゆっくり、忍び足のように近づき、箱が気になり手をかけた
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