お姫様に焦がれて
そして、雪は勇気を出して彼に言った。
「ぇっと………。ち…、ちがうんです。」
「ん?何が?」
「ぁ、ぁの、怖くないです………。先輩のこと。」
「え?そうなの?本当に?
だって、俺こんなナリだよ??」
「ぃ、ぃえ、怖くは…ないです。怖いというよりはその……、なんというか……。」
「??なんというか??」
「も…、も……、もも…みたいで可愛いなって思って………―――っ、ごめんなさい!!」
そこまで言って、雪は先輩に、しかも初めて会った人に失礼な事を言ってしまった事に気付きその場で深く頭を下げた。
バサッ―――
そしてその拍子に、勢いあまって胸に抱えていた本も一緒に落としてしまった。