だから君に歌を
足元の小石を蹴ってみると、音もなく遥か下に落下し、消えた。

「京平…」

せめて、最後にあの笑った顔が見たかった。

「ごめんね、バイバイ」

千夏は目をつむり、
崖の下へと一歩足を進めた。

さようなら。
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