だから君に歌を
そんな千夏の耳元で京平が囁いた。

「三人で暮らしたい」

と。

囁いて京平はさっとテーブルにいる千雪たちの仲間に加わりオムライスを囲んだ。

ずるい。
今のは、千夏の気持ちを計算した上でやっているのなら相当タチが悪い。

千夏は熱くなる頬を抑え切れず立ち尽くした。

おかげでオムライスの味はよくわからなかった。

食事の間中、
千雪と会話を交わすこともなかった。
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