だから君に歌を
小さい頃は小さい頃で京平は千夏に優しかったし、
大切にしてくれていた。

両親が死んでからは尚更京平は千夏のために働き、
そして千夏のことを考えてくれた。

けれども、
京平はあくまでも千夏の兄として存在しており、
将来その隣にいられるのは千夏ではなかった。

そんな現実と、
満たされず、認められない願望に苛まれ、
千夏は京平と距離を置いた。

いつからかわからない。

なぜこうなったのかわからない。

ただ、
気がついたら京平が好きでどうしようもなくなっていた。
< 26 / 189 >

この作品をシェア

pagetop