だから君に歌を
産婦人科には千夏より年上の妊婦がたくさんいた。
そんな中で千夏と京平はちょっとだけ目立っている。
待合室に京平と並んで座っていると、時折周りの視線を感じた。
今時千夏より若くして出産する子もたくさんいるけれど、
それでもやはりまだ珍しいのかもしれない。
千夏はそんな周りの視線など大して気にならない性分なので、
しらっとした表情で自分の順番を待っていたが、
隣に座る京平は、初めての場所に緊張しているのか、
そわそわと視線を動かしたり、
小さく貧乏ゆすりをしたりしていた。
「京平、少しは落ち着きなよ。恥ずかしいから」
千夏がきつい口調で指摘すると、
「おお、悪い」
と言って京平は背筋を伸ばした。
今度は姿勢が良すぎて逆に目立つ。
そんな中で千夏と京平はちょっとだけ目立っている。
待合室に京平と並んで座っていると、時折周りの視線を感じた。
今時千夏より若くして出産する子もたくさんいるけれど、
それでもやはりまだ珍しいのかもしれない。
千夏はそんな周りの視線など大して気にならない性分なので、
しらっとした表情で自分の順番を待っていたが、
隣に座る京平は、初めての場所に緊張しているのか、
そわそわと視線を動かしたり、
小さく貧乏ゆすりをしたりしていた。
「京平、少しは落ち着きなよ。恥ずかしいから」
千夏がきつい口調で指摘すると、
「おお、悪い」
と言って京平は背筋を伸ばした。
今度は姿勢が良すぎて逆に目立つ。