だから君に歌を
4居場所
慣れない畏まった文体。
君、なんて他人みたいな呼び方。
けれど独特の文字は確かに見慣れた京平の字だった。
京平は一体どんな気持ちで手紙を書いたのだろう。
何を思ってポストに、
人前で歌うのは快感だった。
CDが売れれば売れる程安心した。
ああ、
私は求められている。
必要とされている。
そう思えたから。
たとえそれが、
使い捨ての、一時だけのものでも。
すぐに取って代わられるかもしれないものでも、
歌っている時だけは確かにそこには千夏の居場所があった。
CMになるたびに千夏の歌声がテレビ画面から流れてくる。
CDショップにもずらりと千夏たちのCDが並び、あっという間に千夏は有名人となった。
君、なんて他人みたいな呼び方。
けれど独特の文字は確かに見慣れた京平の字だった。
京平は一体どんな気持ちで手紙を書いたのだろう。
何を思ってポストに、
人前で歌うのは快感だった。
CDが売れれば売れる程安心した。
ああ、
私は求められている。
必要とされている。
そう思えたから。
たとえそれが、
使い捨ての、一時だけのものでも。
すぐに取って代わられるかもしれないものでも、
歌っている時だけは確かにそこには千夏の居場所があった。
CMになるたびに千夏の歌声がテレビ画面から流れてくる。
CDショップにもずらりと千夏たちのCDが並び、あっという間に千夏は有名人となった。