黒き手が…
それは目の前に何かあるから。

それに触れると、自分の番が終わるからだ。

そして順序は巡り、再び自分の番になる。

この異変に自分以外の者が気付くとなれば、それはアキだ。

ミナがタッチしたモノは、アキにタッチしに行くからだ。

しかしアキもミナも声を上げない。

同じ所を回っているせいか、疲れがきていて、気のせいだと思っているからかもしれない。

やがて、アラームが響いた。

それはちょうど、ミナが目の前のモノに触れようとした時だった。

「おっし! 終わりね! みんな、入り口に集まって!」

アキの高い声で、現実に戻った気がした。

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