黒き手が…
学校から近いミナは、人通りの多い所を選んだ。

マカが最近、霧が濃いのを気にしていた。

おかしな奴がうろつくだろうから、人通りの多く、明るい所を歩いて帰れと。

できれば夜、出歩かないようにとも言われていてが、今夜は仕方なかった。

ため息をつきながら歩いていると、すれ違った人と軽くぶつかった。

「あっ、ゴメンなさい」

「いえ、ボクの方こそぼんやりしていましたから」

「おや、どうかしました?」

ぶつかったのは、ミナより幼い少年だった。

そして少年には青年が一緒にいた。

「ちょっとぶつかっただけだよ。それよりキミ…」

「はい?」

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