黒き手が…
どんっ ばんばんっ どどんっ

…何かを叩くような音。

ミナはゆっくり振り返った。

まだカーテンは閉めていなかった。

だからはっきりと見てしまった。

窓には黒い手のひらの跡が、音と共に次々と現れる。
 
手のひらは、赤ん坊サイズから男性の大きなサイズまでさまざまだ。

ミナは眼を見開き、口を開いた。

「いっやあああ!」

二人は部屋を飛び出した。

そのまま家からも、出てしまう。

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