黒き手が…
二人はミナの返事も聞かず、教室から出て行った。

入れ違いに、マカが戻ってきた。

「お待たせ、ミナ。…って、まだ掃除終わってないのね」

「あっ、ああ! ゴメン、マカ。すぐに終わらせるから!」

ミナは慌ててホウキを動かし始めた。

けれど頭の中は、アキとユマのことでいっぱいだった。

マカには絶対に言えない、言いたくない過去が、ミナにはある。

実はミナ、中学時代は少しグレていた。

ギャル風の格好をし、行動や考え方もそっち寄りになっていた。

両親が仕事一筋だった為、寂しさから行っていた。


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