俺が大人になった冬
賭けのときに引っ掛けた30代前半の人妻は、たまたま金持ちの奥様だった。
とても色っぽい女で、暇つぶしがてらエステやスポーツジムに通っているだけあって、スタイルもメチャメチャよかった。
俺は話題作りのために「一度きり」のつもりだったが、女の方から「割り切った付き合いをしましょう」と話を持ち掛けられた。
その女とのセックスはユカとは比べ物にならないくらい官能的で、女の都合に合わせなくてはならないにしても、あんなセックスが頻繁にできると思うと迷う必要などない話だった。
女は体だけではなくプレゼントなんかも頻繁にくれたし、最後の方は金をくれた。はじめて金を手渡されたときは少し抵抗があったけれど、プレゼントをもらっているのだから一緒だろうと、開き直ることにした。
その女との関係は8ヶ月ほど続いたが、旦那が女の浮気を疑い始めたことをきっかけに、パッタリと会うのをやめた。
何度も肌を合わせ、お互いに対して『情』は芽生えていたが それは『愛情』とはほど遠く、終わるときはとてもあっさりとした物だった。