俺が大人になった冬
その女との付き合いで味を占めた俺は、早速次のターゲットを探した。

ヤラせてくれて、金をくれる金持ちの女。

金持ちなら誰でもいいというわけではなく、だれかれ構わず声を掛けているわけではない。いくら金持ちでもオバちゃんは嫌だ。

それに、いい感じの女の中にはうっかり手を出してしまうと、命に関わることになる相手もいる。その辺りの見極めが難しい。

しかし俺は幸い『危険要因のない、俺に興味を示しそうな不倫願望がある女』を見つける勘は鋭いようだ。今まで、読みが外れたことはない。

今、付き合っているエリナは4人目の人妻。

俺が狙いを定めた『そこそこ美人の金持ちの人妻』は皆、意外と簡単に落ちた。
多くは暇を持て余しているし、刺激を求めている。

それに加えて大抵プライドも高く、『女』としての意識も高い。

『自分の価値』を、若い男と付き合うことで再確認しているような所があるのだ。

エリナは前の女と違って、心の中では割り切っていてもムードも楽しみたい女だ。だから俺はちょっと面倒ではあるが、エリナには甘い言葉を囁いたり、上辺だけの『恋愛ごっこ』をしてやることにしている。

< 11 / 286 >

この作品をシェア

pagetop