俺が大人になった冬
「あの……元気なんで」

「元気?」

まだ分かっていないのかよ!

恥ずかしさから顔が熱くなる。

「だ、だから……下の……」

そこまで言ってようやく彼女は俺の言いたいことが分かったらしく、いきなり吹きだして笑われた。

「わ、笑うなよ!」

「だって! そんなこと気にならないのに!」

どうやら彼女の『笑いのツボ』に入ってしまったらしく、いつまでも笑っている。

「あんただって、スッピン見られんの嫌がっただろ!」

「スッピンは恥ずかしいもの」

「俺だって恥ずかしいんだよ!」

「カワイイ」

しかし俺がムキになればなるほど、彼女は余裕の表情でサラリとかわす。
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