俺が大人になった冬
お参りを終えるとそのままどこにも寄らず、行きとは別ルートの多摩川沿いを通り家に向かった。
「なぁ。さっき一生懸命祈ってたけど、たった100円でなにをあんなに頼んでたんだよ?」
「元くんの幸せ」
「絶対嘘だろ!」
俺のツッコミに彼女は小さく笑う。俺もつられて笑う。
「あら?」
ポケットから電話の着信音が流れ出す。
この曲はあいつからの電話だ。
「電話みたいよ?」
「うん」
「出ないの?」
「いいよ別に。家からだから」
「家って? お母さん?」
急にかかってきた家からの電話。
せっかく彼女と楽しい時間を過ごしていたのに、一気に気分が悪くなった。
「なぁ。さっき一生懸命祈ってたけど、たった100円でなにをあんなに頼んでたんだよ?」
「元くんの幸せ」
「絶対嘘だろ!」
俺のツッコミに彼女は小さく笑う。俺もつられて笑う。
「あら?」
ポケットから電話の着信音が流れ出す。
この曲はあいつからの電話だ。
「電話みたいよ?」
「うん」
「出ないの?」
「いいよ別に。家からだから」
「家って? お母さん?」
急にかかってきた家からの電話。
せっかく彼女と楽しい時間を過ごしていたのに、一気に気分が悪くなった。