俺が大人になった冬
あの日、ついに口にしてしまった俺の彼女への気持ち。
「好きだ」
気持ちを告げることで、彼女に逃げられてしまうことが恐かった。
でもあのとき彼女は
「ありがとう」
と、恥ずかしそうに笑って、キスを受け入れてくれたように、俺の気持ちも受け入れてくれた。
それから夕方彼女が帰るまでのあいだ俺は、今まで我慢していたことをしなくてよくなったという開放感から、これでもかというぐらい彼女にくっついた。こんなにも、ベタベタするのが好きだったのかと自分でも驚くほどに。
テレビを見ながら彼女の髪を撫でたり、彼女の手に触れたりキスしたり……
彼女がキッチンに立ったときは、後ろから彼女の腰に手を回し彼女が料理しているのを肩越しに見た。耳や首筋に軽いキスをするたびに、彼女がピクッと反応するのがかわいくて何度もキスをして、しまいには彼女に「危ないでしょ」と怒られた。
食事中もなんだかんだ言っては、彼女に触れた。