俺が大人になった冬
2人で作った肉じゃがと、彼女が家で準備してきた鮭のホイル焼き。ほうれん草のお浸しに、ご飯とみそ汁。今日の俺たちの昼食メニュー。
それらを向かい合わせに座って食べながら、彼女と会わなかったほんの数日のことを話す。
「俺、昨日の夜、このあいだ教えてもらったオムライス作ってみた!」
「凄いじゃない! どう? 上手にできた?」
「作ってくれたやつみたいにきれいに巻けなかったけど、味は結構イケてたよ」
「次はきっと上手くできるわよ」
俺のくだらない話を、彼女はいつも嬉しそうに聞いてくれる。
話を聞いているときの彼女の表情は、あまり一緒にしたくないけれど母親のようだ。
学校から帰ってきて、その日の出来事を報告する息子の話を聞くような……