俺が大人になった冬
「そういえば、元くん最近学校ちゃんと行っている?」

「え? なんで?」

「最近、前より頻繁に会おうって言ってくれるけれど、大学はまだ冬休みではないでしょ?」

「頻繁に会うのは嫌ってこと?」

「そうじゃないわ。元くんに会えるのは嬉しいもの。だけど、学校を休んでまで会って欲しくないの」

「だってさ。あんたとは昼しか会えないじゃん」

「そうだけれど……」

俺たちはお互い言葉に詰まり、黙り込んでしまった。

重苦しい空気が流れる。
< 49 / 286 >

この作品をシェア

pagetop