短編・ショートショートなど。
俺が今後の策を練っていると、その大将が俺たちの前に姿を現した。途端、先程まで和やかだった周囲の空気が一変する。

ピンと伸ばした背筋と恰幅の良い身体、自信に満ちあふれた佇まいなどから敵とはいえそこに威厳が感じられた。

その圧倒的な威圧感に気圧されないように、大地の上で足を踏ん張るのが精一杯だった。

奴は俺の想像以上だったが、ここで怯んでいては相手の思う壺だ。

敵はゆっくりとした動作で壇上へ上がってきた。

こちら側に漂う緊張感などまるで意に介さない様子で俺たちのほうを向くと、おもむろに口を開いた。

「えー、これから新入社員の諸君には…」


【END】
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