Sky Blue-同じ空の下-
-Story7
慧と恋人同士に戻れた日のことは今でも鮮明に覚えている。
「碧、着替えに行こう。」
そうチカが言うと、すぐに慧が飛んできて「今日は調子がいいのか?体育なんかやっていいのか?」なんて心配してくれる。
そんなことでも幸せに感じていた。でも、桃華さんの視線が酷く痛かった。
「ねぇ、慧」
放課後、寮に帰るとき慧に聞いてみた。
「学校では、あんまり恋人らしくするの、やめない?」
「なんで?」
ちょっと怒ったように言う慧。
「桃華さん、まだあなたのこと好きよ。私に付き合ってるなんて嘘言ってきたくらいだもん。」
「だから?恋人を恋人らしく、特別な存在として接して何が悪いの?」
確かに慧の言ってることも一理ある。でも分かるんだ。分かるの、
「私さ、慧と桃華さんが付き合ってるって聞いて、とても傷ついた。気になってしょうがなかった。好きな人に恋人がいるのって苦しいんだよ。慧には分からないかもしれないけど…」
「ほらね、」
慧は少し間を開けて話し出した。