Last Memory
ガチャンって音がして、ぼんやりした思考の端でお父さんが電話を切ったのを理解した。
悟史のお母さんと何を話してたのかな・・・・?
「歌奈、おいで。」
見たこともないような悲痛な顔で私の手を取ったお父さんは台所にいるお母さんに「ちょっと出てくる」とだけ告げて私を無理やり車に乗せた。
無理やり??違うな。私抵抗しなかったもん。
行きついたのは大学病院。
私を引っ張りながらロビーに連れて行ったお父さんは、ある女性の前で静かに頭を下げた。
悟史の・・・・・お母さん・・??
「歌奈ちゃんっ・・・・!!」
涙でぐちゃぐちゃに顔が濡れた悟史のお母さんがそこにはいた。
悟史のお母さんはハンカチで顔を拭きながら私をしっかりと抱きしめる。
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