恋の星
star






朝、学校に行く前に必ずチェックするもの。


「乙女座1位やん!ラッキー」


それは星座占い。


これ、乙女の常識。


「行ってきまーす」


「いってらっしゃい」


台所からお母さんの声が聞こえると同時に、私は玄関の扉を閉めた。


なぜか乙女座は最下位にくることが多い。


それなのに今日は1位だ。


星座占いの順位が良い日は、自然とテンションが上がってしまうもの。


今日はきっといい日なんだ。






「アホとちゃうか」


隣から呆れた声が聞こえる。


「なにが?」


野球部幽霊部員の坂上だ。


「星座占いなんか当たるわけないやろ」


坂上に星座占いのことを話すと、決まってこの返事が返ってくる。


「乙女座が1位やったからって〜。実はうらやましいんやろ」


「アホか」


「し・か・も!内容がなっ…」


そこまで言ったところで、チャイムと供に先生が教室に入ってきた。




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