狐の眠り姫

緑茶とスナック菓子を出されて、キョトンとした。
「………何だ?」
訝し気にレイが言った。
「…狐も、スナック食べたりするんだね。」
目を丸くされた。
何よ、だって妖怪じゃない。
「妖怪だって、普通に人間の食材も食べるぞ。」
「じゃ、好きなのは?」
「油、油揚げ、肉、魚、菓子。」
ある意味、狐らしい。
「お前は。」
指折り数えて、「あんこ、苺、シュークリーム、シフォンケーキかな。」と言うと、レイはふっと笑った。
頭をぐしぐし撫でられて、胸がまた、静かに鳴る。
不思議。
会ったばかりなのに、あなたが笑うと嬉しい。
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