狐の眠り姫
高等妖怪を三人食ったのだ。
俺の霊力は莫大なものとなり、皮肉にもそのおかげで今まで生きながらえてきたと言ってもいい。
親殺しは、低級にはよくあることだが、狐という種の中では皆無。
俺は、二つ名を忌桜と自分で名付けた。
自らの忌まわしき人の血の存在を忘れぬよう。
桜のごとく、儚くありたいと。
話し終わり、ふと葉を見ると、うつむいていた。
零と名乗ったのは、戯れであったのだ。
今ではもう零とは誰も呼ばないのだから。
…………ぽた。
人よりはるかに優れた聴覚が音をとらえた。
葉の顔を両手でつかみ、上を向かせる。
俺の霊力は莫大なものとなり、皮肉にもそのおかげで今まで生きながらえてきたと言ってもいい。
親殺しは、低級にはよくあることだが、狐という種の中では皆無。
俺は、二つ名を忌桜と自分で名付けた。
自らの忌まわしき人の血の存在を忘れぬよう。
桜のごとく、儚くありたいと。
話し終わり、ふと葉を見ると、うつむいていた。
零と名乗ったのは、戯れであったのだ。
今ではもう零とは誰も呼ばないのだから。
…………ぽた。
人よりはるかに優れた聴覚が音をとらえた。
葉の顔を両手でつかみ、上を向かせる。