狐の眠り姫
「俺は、妖狐だ。」
「ようこ…?」
「つまり、狐ってこと。」
少年を、ぼんやりと眺める。
だから、霊と同じ雰囲気だったのかと納得した。
「私を化かすつもり?」
「………化かすも何も、俺は正体明かしてんぞ。」
少年は呆れ顔で、少女の顔を眺めた。
「…顔はまあまあ、肉体は清純、ついでに悪霊か。」
舌なめずりをした彼を、気味悪く思った。
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