狐の眠り姫
病室に入ると、彼女は、静かに俺の瞳を見つめた。
事故で、俺のかけた術はもう解けてしまったことに一目見て知った。
君は、俺のことなんか忘れてしまったのだろうか…
「葉………。」
言葉が、出てこない。
あれ?
沢山話して、謝るんじゃなかったのか。
彼女に謝って、立ち去ればいいじゃないか。
何で…

俺の目は濡れているんだ?

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